も一個投下。
今回はちょっとシリアル((
結局はほのぼのになるけどね☆
今回はちょっとシリアル((
結局はほのぼのになるけどね☆
あの人は、純粋で。
人の為なら自分を捨てる人だった。
自分の中で全て纏め、自分を蔑ろにすることが多い。
そんな人を、好きになった。
でも、叶うわけが無い。
もう、叶わない。
もっと一緒に笑いたかった。
もっと一緒に泣きたかった。
もっと一緒に居たかった。
思い浮かぶのは、あの人の笑顔。
「幸村、ここにいたのか」
「三成殿」
「お前の為の宴だぞ?」
「・・・そうですが」
幸村に寄り添う三成。
「私はそれより、三成殿と一緒にこの月を見たいです」
「・・・仕方ないな」
そう言って、柔らかに笑う。
「三成殿」
「ああ、幸村。どうした」
「今から遠乗りに行きませんか」
「今から?」
「ええ。今の季節、あの山が綺麗になるんです」
「ほう。・・・・行こうか?」
「ええ、是非!!・・・まあ」
三成の髪を触る。
「三成殿の方が綺麗ですが」
顔を赤くし、「お、男に綺麗とか言うな」と言う。
「もっと・・・・貴方に伝えればよかった」
伝えたい気持ちなのに、その人がいない。
失った感触が、心から、消えない。
ぽっかりと、穴が開いたように。
思い出すたびに、じわじわと侵食してくる。
守れなかった。守りたかった。
自分は、死ぬのか。
腹から大量に血が出てくる。
もう、痛いすら考えられなかった。
目も、ぼんやりとしか見えない。
周りで「ゆき・・・・・・・ま!」「ゆ・・・・・さま」と、話しかけてくる。
それも、断片的にしか聞こえない。
もう、眠らせてくれ。切に願う。
ふわり、と温かく懐かしい感触。
「みつ・・・・なり・・・・どの」
「幸村様!?お気をしっかりと!!」
「みつなりどの・・・」
幸村、俺のせいですまぬ。・・・幸村が望めば、生き返れるぞ?
「三成殿・・・」
「幸村様!!!!」「お気をしっかりとお持ちくだされ!!」
「もう・・・眠りたい・・・・」
「幸村様!!!」
じゃあ、幸村。一緒に行こう。
手を差し伸べられる。幸村は、それを握る。
周りには、幸村がいきなり宙を掴んだように見えている。
「幸村様!!」
「三成殿・・・・・迎えにこられるなど・・・・」
「幸村様っ・・・!!」
家臣たちの声が聞こえる。幸村は、もうどうでもよかった。
三成と一緒に居られる。それ以外、もう望んでいなかった。
行こうか、幸村。向こうで左近らも待っている。
幸村は、三成の手を握り返す。
宙を掴んでいた幸村の手。
手は、地面に落ちた。それきり、もう二度と動かなくなった。
すっごい罪悪感です。
悲恋を初めて書きました。・・・もう書きたくないなあ
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