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2024/11/02 02:29 |
その時に 忘却心中しようか
よーやく時間ができました。
ほんと更新できないかと思ったよ・・・!!

続きにA.P.Hネタ。
主にソ連組です。
イヴァンさん病んでます。
その代わりにナターリアがまだまともです。
フェリクスとウクライナが大変な目にあっています。苦手な方は回れ右。


最近、兄さんがおかしい。
よくぶつぶつと何かを呟いていたり、いきなり姉さんに暴力を振るったり。
酷いときには、姉さんの顔が腫れるまで殴っていたり。
それだけではもの足りぬように、バルト三国に行って暴行をして、
止めに入ったフェリクスの体中に痣ができるまで暴行をして。
私はなんとも無かった。でも、遂には私にも暴行が来た。
・・・私が伏せていると、姉さんが助けに来てくれた。
姉さんは、私の代わりに暴行を受けていた。
私は、片隅で震えることしかできなかった。
「イヴァンちゃん、もうやめて!!お願い、もうやめて!」
「・・・姉さんもナターリアも・・・みんな滅びたらいいんだ・・・・・!!」
ぶつぶつと会話が聴こえる。
―――暫くして、兄さんは気が済んだのか、姉さんから離れ、自分のところに帰っていった。
姉さんは、片隅で震えていた私のほうに駆け寄り、私を抱きしめた。
「ナターリアちゃん、大丈夫?怪我は無い?」
「・・・姉さん、私よりも、自分のことを・・」
「ううん、私のことなんてどうでもいいの。それより、怪我は無いのね」
姉さんは私の肩に手を置き、私を見つめた。
「・・・ナターリアちゃん。あれはもう、イヴァンちゃんじゃない。解る?」
「・・・・」
私はうなずく。
「それでね、・・・一回、落ち着くまでイヴァンちゃんを閉じ込めようって話になったの」
「!!・・・・兄さんを、閉じ込めるの!?嫌よそんなの!!」
「ナターリアちゃんはイヴァンちゃんのことが好きだから、閉じ込めたくないかもしれない。
 でも・・・・あまりにも、酷いの」
私は、姉さんの顔が直視できなかった。
叩いてやろうかと思った。
でも、姉さんは話を続ける。
「私が殴られるのはいいの。慣れればいいんだから。
 だけど、あの子はきっと、私だけじゃなく、ナターリアちゃんにも、他の子にも手を出してしまう」
姉さんの気遣い。姉さんは、自分はいいけど、他の人が傷つくのを嫌った。
「姉さん・・・でも」
「・・・フェリクスちゃんの顔、見たこと有る?」
「・・・」
首を横に振る。否定の意味。
「フェリクスちゃんは、止める為にはいって、私よりも酷い事になってる」
「姉さん・・・・・」
「もう、閉じ込めるしか手は無いの。閉じ込めるといっても、ちゃんと仕事とかはできるようにする」
肩を掴んでいる手に、力がこもっていく。
「ナターリアちゃん。我慢できる?」
もう、涙声しか出ていない。私は首を縦に振った。
「我慢する。・・・大好きな兄さんが、大好きな姉さんたちを傷つけるのは、もう嫌だ」
最後の方は、涙と混じって、聴こえにくかったけど。姉さんは、抱きしめてくれた。
「ナターリアちゃん・・・・。ごめんね。不甲斐ない姉でごめんね・・・」
姉さんは泣き続ける。
何故、こんな事になったのだろう?
あの頃に、戻れないのだろうか。
子供のような笑顔で話しかけてくれた、あの優しい兄さんに戻らないのだろうか。
姉さんが泣く中、私はそれしか考えられなかった。

私がすることは、一つ。
私はまだ兄さんに暴行をされていないので、私が兄さんに話し、部屋を離れた瞬間に薬を盛る。
初め、姉さんは反対していた。
でも、私はやると決めた。姉さんは、それ以上反対せずに、「無事で居てね」と祈るだけだった。
・・・みんなと集まったとき、トーリスとフェリクスが遅れてきた。
なんでも、兄さんはフェリクスの足も殴ったらしく、あまり動けないらしい。
仕方ないから、私達がフェリクスの家に行く事にした。
・・・そこで見た景色は、酷く目に焼き付いた。
フェリクスの顔の半分は包帯で隠れ、いろいろなところにテープが貼ってあった。
腕や足も見たら、赤と青が混ざったように腫れ、紫色のようになっている部分もあった。
これで腹も酷い事になっているらしい。
愛しの兄さんが、こんな事を、した。
信じたくなかった。
私の中で、何かが弾けた。
「姉さん。睡眠薬は?」
「えっと・・・・」
「何処にあるんだ・・・?」
みんな、探す。戸棚の中や机の上などを探る。
「・・・睡眠薬は、戸棚の3段目の奥だし」
「フェリクス、本当?」
「本当だし。・・・早くイヴァンを何とかして」
喋るのすらしんどそうに、フェリクスが言う。
「解った」
睡眠薬を取り、兄さんの下へ向かう。
姉さんと一緒に。

香りよい紅茶――アーサーから貰ったもの。
アーサーや、他者も協力しているらしい。
姉さんが淹れてくれた、紅茶。
まだ睡眠薬を入れずに、兄さんの元へと向かう。
コンコン。ドアをノックし、部屋に足を進める。
「ナターリア、どうしたんだい」
そこには、何時もと変わらぬ兄さん。でも、何かが違う事は解る。
「紅茶を持ってきました。兄さん、頂きましょう」
「そうだね。いい香りだ」
「その前に、手を洗った方がいいと思います。・・・インクまみれ」
「そうだね・・・早く洗ってくるよ」
兄さんが、外に出て行く。
この部屋の監視カメラは、とうにエドァルドがハッキングした。
帰ってくる前に、紅茶に盛る。もちろん、それを自分の手に持って。
こつ、こつ、こつ・・・。兄さんの足音が戻ってくる。
ドアを開け、兄さんが入ってくる。
「どうぞ、兄さん」
「有難う」
兄さんは私の手にあるティーカップを取る。
口をつけると、一気に飲み干す。
―――兄さんの身体は、床に倒れた。
「ナター・・・・リ・・・ア・・・・・?何・・・を・・・!!」
「おやすみなさい。これからは、私と一緒です」
兄さんは眠る。
後は、閉じ込めるだけ。
ねえ、姉さん。早く兄さんが元に戻るように祈りましょう。
早く、またあの頃みたいに仲良くできる日を祈りましょう。



イヴァンさん病みネタ。
うちのナターリアは兄さんも好きですがみんな好きです。
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2009/06/14 21:27 | Comments(0) | TrackBack() | APH

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